ガバナンスサーベイでの指摘
三井住友信託銀行株式会社が独自に作成している『ガバナンスサーベイ®2021』(https://www.smtb.jp/-/media/tb/about/corporate/release/pdf/211109.pdf)
国内最大級のコーポレートガバナンスに関する網羅的な調査で上場企業の5割弱に相当する1,787社(2021年実績)が参加し、データを集めています。
その中から、社外取締役と投資家との対話についての調査に注目しました。
社外取締役が実施するIR活動の実際
まず資料p.4の「その他:投資家との建設的な対話、情報開示」を弊社側でまとめたものをグラフで示す。
左右のグラフともに2020年と2021年に集計されたデータを比較したものである。
左は企業側(社外取締役)が投資家とどれだけ対話を行っているかを表した棒グラフ、
右は投資家側がどれだけ社外取締役との対話を望んでいるかを表した棒グラフである。
・投資家との対話を実施していないが、必要性を感じてる企業
・実際に投資家との対話を実施している企業
・社外取締役との対話を期待している投資家
どの数字も2020年から2021年の間で伸びているが、実際に投資家との対話を実施している企業の伸びが著しく低い。
2021年には投資家の84%が社外取締役との対話を期待しているが、その実6%の企業しか実際に投資家との対話を実施していない。
今後の課題
今現在、社外取締役に求められることはガバナンスに関するアクションが大部分を占めているだろう。
しかし、2014年に経済産業省を中心に提出された「持続的成長への競争力とインセンティブ ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト (別名:伊藤レポート) にも持続的成長のための投資家との対話を重要視していくべきだとの方針が記されている。
経営陣である社外取締役にも投資家との対話は強く求められることになるであろうと予測される。