今後は弊社の保有する既存の社外取締役データベースに加え、株価データを取得することで社外取締役と株価の関係を紐解いていこうと考えております。
今回はその中でも2021年末と2022年末の株価を騰落率で並べ下落率の高い企業の社外取締役にフォーカスしてみたいと思います。
※IPO初期の株価変動を除外するために2017年末時点に上場していた企業に限定して調査しております。
※データベースに不備がある可能性もありますので誤りを発見いただいた方はご連絡をいただけますと幸いです。
まずは株価下落率ランキングを見ていきましょう。
株価下落率ランキング
2021年末から2022年末での株価下落率ランキング(医薬品業界)
順位 社名 変化率
1 株式会社ヘリオス -79.1%
2 アンジェス株式会社 -68.2%
3 株式会社リボミック -55.5%
4 ソレイジア・ファーマ株式会社 -54.2%
5 カルナバイオサイエンス株式会社 -52.8%
6 大幸薬品株式会社 -52.2%
7 株式会社ジーンテクノサイエンス -45.8%
8 株式会社モダリス -45.4%
9 シンバイオ製薬株式会社 -43.8%
10 株式会社ファンペップ -43.8%
2022年の医薬品業界に属する企業の株価パフォーマンスは上昇18社、下落43社と低調でした。
トップ2社の社外取締役について詳しく見てみます。
株式会社ヘリオス
2023年3月時点のコーポレートガバナンス報告書を確認すると、その時点での社外取締役は以下の3名いらっしゃいます。
樫井 正剛
1978年4月 藤沢薬品工業㈱(現 アステラス製薬㈱)入社
2006年4月 アステラス製薬㈱ 法務部長
2007年6月 同社 執行役員法務部長
2009年4月 同社執行役員Astellas US,Inc.及びAstellas Pharma Inc. President & CEO
2011年6月 同社 常勤監査役
2014年7月 ノバルティスファーマ㈱執行役
員インテグリティ&コンプライアンス本部長
2014年10月 ノバルティス㈱インテグリティ&コンプライアンス カントリーヘッド 兼ノバルティスファーマ㈱執行役員インテグリティ&コンプライアンス本部長
2017年3月 当社常勤社外監査役
2017年6月 ㈱サイレジェン監査役(現任)
2018年3月 当社社外取締役(現任)
樫井正剛氏は、製薬企業における国内外での豊富な経験を有しており、当社の経営監視機能の強化とともに監査体制の強化を担ってきたことから、今後はその豊富な知識や経験を当社の経営の監督に活かしていただけるものと考えております。
余語 裕子
1982年4月 モルガン銀行(現 JP Morgan)東京支店
1996年1月 スコットランド開発庁 企業誘致局日本オフィス カントリー・マネージャー
2002年6月 トロント・ドミニオン証券 東京支店 バイスプレジデント・管理本部部長・内部管理部門統括責任者
2005年11月 エービーエヌ・アムロ証券 東京支店 人事部長
2008年9月 フィデリティ投信㈱ 人事部長
2008年9月 フィデリティ・ホールディング会社 代表執行役
2016年6月 フィデリティ投信㈱ 執行役員人事部長
2019年6月 イオンフィナンシャルサービス㈱ 社外監査役(現任)
2022年3月 当社社外取締役(現任)
余語裕子氏は、外資金融機関でマネジメントメンバーとしてグローバルな視点からの経営の経験を有し、特に企業文化、組織・人材開発についての専門的見識をもって意見・提案をいただき、コーポレートガバナンス強化に尽力していただけると考えております。
グレン・ゴームリー
1988年6月 MERCK & CO入社
1997年9月 MERCK & CO Vice President,Clinical Development
2000年5月 アストラゼネカ CMO
2006年5月 ノバルティスファーマ SeniorVice President and Head,
Global Clinical Developmentand Medical Affairs
2008年6月 Gemin X BiotechnologiesInc.President and CEO
2009年4月 Daiichi Sankyo, Inc. (US)Chief Science Officer,
Global Head, Development andPresident
2012年4月 第一三共㈱ Global Head,Research and Development and Senior Executive Officer
2013年8月 Daiichi Sankyo, Inc. (US) Chairman and President
2019年4月 同社 Executive Chairman
2022年3月 当社社外取締役(現任)
グレン・ゴームリー氏は、医師としての経験や、長年にわたる日本および海外の製薬業界での研究開発や経営の責任者としての豊富な経験を有しており、がん疾患をはじめとする多くの疾患領域での治療薬開発の成功の経験、科学的知見、人的ネットワークを活かして独立した立場で当社のグローバル経営全般に助言をいただくことで当社の経営体制が強化できるものと考えております。
アンジェス株式会社
2023年3月時点のコーポレートガバナンス報告書を確認すると、その時点での社外取締役は以下の3名いらっしゃいます。
栄木 憲和
1979年8月 日本チバガイギ-株式会社入社
1994年1月 バイエル薬品株式会社入社
1997年3月 同社取締役(滋賀工場長)
2002年7月 同社代表取締役社長
2007年1月 同社代表取締役会長
2010年4月 同社取締役会長
2014年5月 当社社外取締役(現任)
2015年3月 株式会社ファンペップ社外取締役(現任)
2015年6月 東和薬品株式会社社外取締役(現任)
2016年4月 ソレイジア・ファーマ株式会社 社外取締役(現任)
2018年6月 株式会社ジーンテクノサイエンス(現キッズウェル・バイオ株式会社)社外取締役(現任)
製薬企業経営者としての豊富な経験・知見を当社の経営に活かしていただくため、適任と判断し選任しております。
(注)栄木さんがアンジェス株式会社以外に現任の社外取締役として所属しているソレイジア・ファーマ株式会社は医薬品業界内で下落率第4位の企業です
駒村 純一
1973年4月 三菱商事株式会社入社
1996年4月 同社イタリア及び英国事業投資先取締役
2003年8月 森下仁丹株式会社執行役員
2003年10月 同社執行役員経営企画室長
2004年4月 同社常務執行役員経営企画室長
2004年6月 同社取締役常務執行役員経営企画室長
2005年4月 同社専務取締役専務執行役員
2005年11月 同社代表取締役専務
2006年10月 同社代表取締役社長
2012年3月 当社社外取締役(現任)
2020年6月 日本ピラー工業株式会社外取締役(現任)
東海物産株式会社社外取締役(現任)
企業経営者としての豊富な経験・知見を当社の経営に活かしていただくため、適任と判断し選任しております。
原 誠
1974年4月 住友化学工業株式会社(現住友化学株式会社)入社
1999年8月 住友製薬株式会社総合計画室部長兼住友化学株式会社医薬事業室部長
2003年4月 住友化学株式会社石油化学業務室部長
2005年6月 同社執行役員経理室部長
2008年4月 同社常務執行役員
2010年4月 同社専務執行役員
2010年9月 大日本住友製薬株式会社常務執行役員
2011年6月 同社取締役常務執行役員
2012年4月 同社取締役専務執行役員
2016年6月 同社顧問
2018年3月 当社社外取締役(現任)
製薬企業経営者としての豊富な経験・知見を当社の経営に活かしていただくため、適任と判断し選任しております。
室伏 きみ子
1972年3月 お茶の水女子大学大学院理学研究科修士課程修了(理学修士)
1976年3月 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(医学博士)
1977年4月 アメリカ、ニューヨーク市公衆衛生研究所研究員
1983年4 月お茶の水女子大学理学部/大学院人間文化研究科助手
1996年4月 お茶の水女子大学理学部/大学院人間文化研究科教授
1999年12月 フランス、ルイ・パスツール大学(現:ストラスブール大学)客員教授
2003年7月 日本学術会議会員
2011年3月 ブリヂストン株式会社社外取締役
2013年5月 お茶の水女子大学名誉教授、寄附研究部門教授
2015年4月 お茶の水女子大学学長2015年4月国立研究開発法人日本医療研究開発機構 監事
2021年11月 フランス、ストラスブール大学名誉博士
2022年3月 当社社外取締役(現任)
生物学研究者として、研究者の育成に豊富なグローバルな経験・知見を有しているのみならず、政府の委員等を歴任されており、当社の経営全般に対し、客観的な意見をいただくため、適任と判断し選任しております。